未来塾 第5期・最終発表会 [サレジオ学院中学校・高等学校] (2018.2)
2018年2月20日、サレジオ学院中学校・高等学校において第5期・未来塾〈最終発表会〉を実施しました。

2018年2月20日、神奈川県横浜市のサレジオ学院中学校・高等学校におきまして第5期未来塾の発表会が開催されました。

未来塾は1年間を通じて問題解決に関わる様々な手法を学びながら、学校課題や地域課題、社会課題等を自らで設定し、解決に取り組むテラス独自の中高生向け・通年型プログラムです。

2013年から始まった未来塾は5年目を迎えました。「社会課題を扱う問題解決授業」という一見すると難しそうな内容から当初は高校生の参加者が目立ちましたが、学校説明会で未来塾をご紹介いただき、その存在を知り入学してきた生徒たちが参加可能学年になり、次第に中心メンバーが中学生へと変化してきました。今年度はほとんどが中学生です。
https://telas.me/schools/salesio

学校では通常、問題は「与えられるもの」ですが未来塾では自らで探し、解決策を立てなければなりません。さらに重要なのが「正解がない問題」に対して思考停止にならず取り組む勇気や力強さを身に付けること。

各チームは1年間かけて取り組んだ課題について、最終回であるこの日に発表します。

今年度は全6チームがエントリーし、それぞれ次のような課題を設定しました。

  • 過労死問題(ブラック企業)
  • ハラスメント問題
  • 死刑制度の可否
  • 100%検証されていない医療器具の使用について
  • 子供の権利(少年法、選挙、諸制度)
  • 人に好かれる方法

過労死問題のチームは、海外における事例との比較から日本における原因を探ろうと試みていました。実際にオーストラリアに住む友人へ質問して現地の生の意見を得るといった工夫が見られ、説得力ある発表ができていましたね。

死刑制度の発表はやや緊張感ある時間でした。というのも同校はカトリックの学校であり「命」に関する議論は非常にセンシティブに受け止められます。チームが出した結論に対し、その後の質疑応答で会場からは容赦のない問いかけがなされました。人によって立場によって、まるで異なる意見が持たれる場合があることを彼らは学んだはずです。未来塾が目指している「唯一の正解がない問題に自分なりの答えを出す」決断力が試されるテーマでした。辛い時間だったかもしれませんが、彼らの勇気に大きな拍手を贈りたいと思います。

トリを飾るのは「人に好かれる方法」の発表です。一見軽いテーマとも思えましたが、「人に好かれたい」という欲求の裏返しとも取れ、彼らが日頃抱える悩みの一端を垣間見た気がしました。しかしこういったトピックを教える大人向けの教室が街に存在し、わざわざ通って習う大人がいることを考えるとコミュニケーションに関する悩みは大人も子供も関係ないのでしょう。「聞き手にまわる」「笑顔を絶やさない」ひとつひとつはシンプルで容易いですが、実行するのはいかに難しいことか。彼らには日々の生活で実践し、自分たちが立てた仮説が本物であると検証してくれることを期待します(笑)

当日は同校の中学入試終了直後ということもあり、4月入学予定の保護者の方にもお越しいただけるよう学校にお取り計らいいただきました。平日の夕方にも関わらず足をお運びくださいましたご来場者の方々に心よりお礼申し上げます。

来年度にはどのような課題に焦点が当てられるのか、解決へのアプローチが示されるのか、ますます期待が高まります。またお目にかかりましょう!