2月16日、神奈川県の男子中高一貫校・サレジオ学院中学校・高等学校におきまして第3期未来塾の発表会が開催されました。
未来塾は1年間を通じて問題解決に関わる様々なアプローチ手法を学びながら、学校課題や地域課題、社会課題等を自らで設定し、解決に取り組むテラス独自の中高生向け・通年型プログラムです。
同校では近年、学校へ求められる教育が時代に合わせて変化してきていることを受け、それに応える形で3年前から未来塾の取り組みが始まりました。
http://54.250.80.238/schools/salesio
カリキュラム最終回であるこの日、各チームは取り組んだ課題を発表します。
学校では通常、問題は「与えられるもの」であるが、未来塾では問題そのものを探し、決定し、解決するまでを自らで行動しなければなりません。
あえて正解が存在しない課題を設定してもらいます。1+1=2のような対になる唯一解がないのです。そこでどうするか。正解が存在しないなら「自分が出した答えを正解にすればいい」。発想の転換です。そのためにはどう物事を進め、課題を解決に導けばよいのか。
このような前提を設けると、設定した課題にも出した答えにも、彼らの個性や学校の個性が色濃く反映されることがお分かりになるでしょう。「なるほど、そういうアプローチで来るか!」と毎回、彼らの発想には驚かされます。
今回の発表会ではプログラム参加者はもとより、プログラムに関係しない先生や生徒、保護者、さらには校外から招いた方が出席されました。
中高生(特に男子生徒)にとって自分の考えをさらけ出す行為は得てして苦痛を伴うことが少なくありませんが、100名を優に越すギャラリーを前に十分にやり切った経験は内容以上の自信を彼らに残してくれたであろうと信じています。
質疑応答では自分たちの先生や同級生・上級生・下級生、見ず知らずの大人から矢のように質問を浴びせられ答えに窮することもありました。
特に印象に残ったのは、発表資料を持つチームメイトが欠席してしまい10分近い持ち時間をたった一人、スピーチだけで行なわなければならなくなった生徒です。
始まる前、彼は「実を言うと逃げたい」と本音を漏らしていました。しかし最終的にチャレンジすることを選びました。「著作権法」という難しいテーマであったにも関わらず、です。
ハラハラしながら見ていましたがそんな心配は全くの杞憂でした。質疑応答で孤軍奮闘していた姿は非常に頼もしく、この一件で「トラブルは逃げるものではなく乗り越えるものである」ことを学んでくれたと思います。
未来塾は希望者向けであるため、壇上に立つ生徒は言わば自ら経験することを望んで飛び込んできています。それだけでも嬉しいことですが、もっとナイスなのは多くの参加者が次年度以降もリピート受講してくれること。
実際、今回の参加者のうち高校二年生のほとんどは中学三年生時から3期全てに参加しています。彼らが普段の学校活動において未来塾の学びを生かしているようだ、というお言葉を同校校長・鳥越先生から頂戴いたしました。私たちとしても誠に嬉しいかぎりです。
そのようにして、今度は彼ら自身の手によって次の学年へと学びを繋げてくれることを願ってやみません。
第3期未来塾はこの日で全て終了ですが、来期の実施もすでに予定されています。新しい参加者を迎えた皆さまにまたお目にかかれることを心より楽しみにしております。
1年間厚くサポートしてくださいました同校の先生がた、プログラム参加にご理解をお示しくださいました生徒の保護者さま、ご多用のなか同校まで足をお運びくださいました発表会ご出席者さま、そして1年間に及ぶ貴重な学校生活の時間を割いて参加してくれた生徒たちに心からのお礼を申し上げます。
また会いましょう!