プログラム導入校:山口県立萩高等学校、山口県立萩商工高等学校

テラスプログラムFUTURE WORK導入校のご紹介

山口県立萩商工高等学校
情報デザイン科教諭 松嶋 渉 様

変化の激しい明確な正解のない時代に、キャッチアップのモデルが明確にあった高度成長期と同じ「工業化を支える教育」をしていて良いのか?

良いわけがない。

我々現場の教員で教科の専門性と直感に優れた仲間たちの間では、このような危機感を共有しています。

社会構造の変化と教育の変化はリンクしており、IT革命以後の社会の変化が教育の変化を求めている時代です。この変化は明治維新、戦後に続く3度目の大きな変化であると言われており、従来のチョーク&トーク型の授業(黒板に向かって板書して一方的に喋る授業)には限界があり、現在MOOCsや反転授業、アクティブラーニング、PBLなど数年前には主流でなかったディスカッションや演習を中心とした双方向型の教育方法が注目されています。

またそのような変化と同時に、教育格差の問題があります。都市部と地方、私立と公立の教育機会に差があることが分かっています。

山口県萩市・松下村塾にて

明治維新で活躍した人材を輩出した町である山口県萩市には、現在「萩LOVE」という地域活性化を促進するための有志団体があります。その活動の中心は「地域教育の改善」と「地域経済活性化」です。

その萩LOVEと萩大志館(東京在中の萩を応援する有志団体)が中心となり2013年9月25日(水)、山口県萩市にある2つの高校(萩高校・萩商工高校)合同で「未来の仕事は自分でつくれ」というTELASのFUTURE WORKプログラムを実施いたしました。

萩LOVEブログ『県内初の高校合同キャリア教育!』

地方で次世代教育を受けられる機会を作りたい、という思いで開催しましたが、受講した生徒からの高い評価はもちろん萩高校、萩商工高校の現場の教員や管理職からも「ぜひまた開催してほしい」、「生徒の学習のモチベーションを上げる素晴らしいワークショップだった」などの声が上がりました。

私自身もこのプログラムを見学して、生徒の主体性や生きる意味を考える上で「モチベーションを上げる教育的効果」が高く素晴らしいものだと感じました。このプログラムを私たち教員がどう普段の授業に繋いでいくことができるのかが今後の課題だと考えています。

2013年9月、山口県萩市において山口県立萩高等学校、山口県立萩商工高等学校の生徒約30名を対象に2校合同のキャリア教育プログラム——テラスが提供するキャリアプログラム・ワークショップFUTURE WORKが実施されました。

さて近い将来、今の子供たちはどのような仕事に就くでしょうか。それは予測可能でしょうか。変化の激しい世の中においては1年後でさえ容易ではないでしょう。実際、約3分の2の子供たちは今はまだ存在しない仕事に就くだろうとの研究結果が2011年に発表されました。FUTURE WORKはこのような予測が難しい時代の生き方として未来の仕事は自分で作ろうと提案するプログラムです。アイディアの生み方だけでなく、それを継続した仕事にするための方法も同時に学びます。

萩市でのFUTURE WORKは県内初となる2校合同事業となり、両校の校長・先生がた、萩市長、萩市教育長、萩市議会議員がたがご見学されました。多くの関係各位のご尽力により実施することができましたこと、ここに改めてお礼を申し上げます。

本稿においてご寄稿くださいました山口県立萩商工高校・松嶋先生は新たな教育施策について日々研究・実践していらっしゃいます。その取り組みをほんの一端ではございますが次のとおりご紹介します。