3月17日、筑波大学附属坂戸高等学校におきまして講師・志村 幸一郎さんによる特別授業を実施しました。
八丁堀・てんぷら小野の店主でいらっしゃる志村さんは、クールジャパン・地域プロデューサー(内閣府知的財産戦略推進事務局)としてもその料理の腕と知識によって世界中で日本文化を広めていらっしゃいます。
今回の授業の内容は志村さんに全て一任していましたので当日ご持参くださったアイテムに大変驚かされました。
それは幾種類もの塩が詰まったケース。
志村さんのお店・てんぷら小野では食材により異なる塩を合わせてお客様に提供しているそうです。その数350種類!この日は一部だけお持ちくださいましたがそれでも見たことがない種類の塩に圧倒されました。しかもこれを全て使い分けているなんて信じられません!
しかも特別なお計らいで秘蔵の塩を自由にテイスティングしてもいいとのこと!
これには生徒全員が大興奮で各自気になった塩を味見し、食べて美味しい塩もあれば、そのままでは思わず顔をしかめてしまうが食材と合わさることで真価を発揮する塩もあり、食の奥深さを自らの舌で味わう機会をいただきました。
講義では主戦場である天ぷらをはじめ、広く食や塩、出汁、第一次産業、接客といった様々なトピック毎に第一線で活躍されている志村さんならではのお話が繰り広げられました。
これまで触れたことがないであろう大人、聞いたことがないであろう世界の話に生徒たちはペンを置き引き込まれるように聞いています。
塩の次は出汁。
この場で調理した幾種類もの出汁を飲み比べて味の差を生徒たちに感じてもらいます。シンプルに素材と水だけ。ですが素材はもちろん、水の違いですら出汁の味に大きな影響を与えると身をもって味わいました。
種類の違う出汁を合わせたら味はどう変化するか。
その配合によっては?
底知れない志村さんの食の知識に全員がみるみる引き込まれていきます。そんな知識の源泉は「一流」と呼ばれる地位を目指していく中で、その地位に、高みにいる人との出会いで培われていったと話されました。
同じ地位にいる人との付き合いは楽チンだし無条件に楽しい。ですからもともと高みへの出会いには積極的でなかったが、ある時たまたま出向いたそのような場で、人生を変える出来事があったそうです。
彼ら高校生には積極的に出会いを、それも高みへの出会いを作るように意識していってほしいとエールを送ってくださいました。
同行されていた志村さんのお弟子さんも彼らと同じ17歳。しかし彼は高校生ではありません。中学を卒業して選んだ道は料理人で、志村さんをお師匠に選びお店の門を叩いたそうです。彼も高みへの出会いを選び自らの道を切り開きました。
ではなぜ志村さんは、彼を弟子に取ったのでしょうか?
そこには決め手となる、驚くような理由がありましたがここではあえて割愛します。もしお知りになりたければぜひお店へ足を運び、直接尋ねてみてください。あなたもきっと驚きますよ!
志村さん、わざわざお店から調理器具や食材をご持参くださり、刺激的な授業をしてくださいまして本当にありがとうございます。志村さんの思いは彼らの記憶に強く残り、これからずっと影響していくと思います。
お店のさらなる御繁盛を心より願っております。