講師・藤浪 啓さんの特別授業“なぜ、何のためにわたしたちは学ぶのか?” [サレジオ学院中学校高等学校] (2018.11)
2018年11月6日、藤浪 啓さんを講師に迎えて特別授業“なぜ、何のためにわたしたちは学ぶのか?”を実施しました。

2018年11月6日、サレジオ学院中学校高等学校におきまして特別講師・藤浪 啓さんをお迎えして「なぜ、何のためにわたしたちは学ぶのか?〜将来を妄想しながら少し考えてみよう〜」と題する授業が開かれました。

藤浪さんは某シンクタンクにて科学・テクノロジー分野の「サイエンス」コンサルタントとして活躍されています。そして同校OBでもあり今回、後輩たちのためにメッセージを伝えたい、との思いから私たちからの打診を快く引き受けてくださいました。

藤浪 啓さんプロフィール

テラスは同校において未来塾と呼ぶ通年型の問題解決型プログラムを実施しています。生徒が自ら課題を発見し、解決案を提案、最終回には校内外のオーディエンスを前に成果を発表する、そういった内容のプログラムです。

平日の放課後に希望者が参加する形で年間10回、授業を開いていますが、そのうちの1回を各方面のOBをお招きします。生徒たちにとっては社会へ飛び出す頃に起きてるであろう未来の変化を先輩から、講師にとっては同じ学校でありながら自分の頃とは異なる教育現場の変化を後輩から、Face to Faceで伝え合う場にしてもらいます。

今回、藤浪さんは科学の専門家として情報テクノロジー分野で起きつつある変化について講演してくださいました。

  • いま起きている変化は単なる技術革新だけに依らず、様々な構造的な変化が重なって起きたものであること。
  • 中でもやはり技術革新は最も社会へのインパクトが大きく、スピードが何よりも重要な要素になり、かつその中心にはデータが位置していること。
  • データが豊富に揃っている領域では人間はコンピュータ(AI)に勝てない、しかしデータがない空間でこそ人間は妄想力・好奇心によって価値を発揮できること。
  • 変化のスピードが速い時代は価値観(プリンシパル)の作り直しが常に求められるようになるが、変えるべきではないものも必ずあり、その基準が自分らしさであること。

かなり要約しましたが、実際にはさらに細かく、詳しく、専門用語も用いて解説されていました。大人でさえ付いていくのがやっとなレベルとスピードで中高生には尚更厳しいのではと思いますが、後輩たちの能力を信じ、敢えて難しい内容をそのままで講演してくださいました。

難しい解説の合間にはキリスト教の学校らしく精神的なメッセージも込められ、OBだからこそ伝えられるものがある、共通するバックグラウンドは人を繋げると改めて感じました。

今回、学校の呼びかけに全6学年に渡って幅広い学年の生徒が参加してくれましたが、中でも唯一の高校3年生の彼は積極的に発言し、講演後も藤浪さんの元でしばらく話をしていました。大学受験を目前に控えて色々と思うことがあったのか、先輩の意見に耳を傾けていたようです。

藤浪さんのお話を全て理解して帰った生徒は少ないかもしれません。しかしいつの日か、自分ごととして今日のことを思い出せる日が必ず来るはずです。そうなることを願っています。

藤浪さん、ありがとうございます。