題して「一生分 声について考えるワークショップ」。
ところで、あなたは録音された自分の声に気恥ずかしさを感じますか?
おそらく多くの人が経験しているのではないでしょうか。自分が喋る声を自分の身体を通して聞く場合と録音して耳で聞く場合、そのあまりのギャップに思わず「もう聞きたくない!」と感じてしまうアレです。
授業の開始まもなく自己紹介もなしに突然オペラを歌い始める丹羽さん。面食らう高校生たち。あっけにとられる3分間がすぎてようやく自己紹介が始まりました。不安な表情が彼女たちの顔に浮かびます(笑)
特に思春期真っ只中の彼女たちにとってそれはコンプレックスとなり、大人になっても克服されないまま残ってしまう。(まさに本稿を書いている長谷がそうです)
しかし周囲に聞こえているのはその“恥ずかしい声”であり、もう一生喋らないと決意するならともかく、恥ずかしい声を“恥ずかしくない声”にできるならその方がめっちゃよくない?という提案がこのワークショップの主旨でした。
キーワードは「フィジカル50%、メンタル50%」
まずフィジカル。声の三要素を知り、意図する声を意図的に出せるようにする。もちろん身体の構造的に出せる声色の制限はもちろんあるがコントロールできる部分も少なくない。丹羽さんはその人の顔や身体を見てどんな声を出す人かほぼ分かるそうです。そして良い姿勢を心がけるようにすること、これも大切。
続いてメンタル50%。メンタルが与える声への影響は少なくなく、例えばオーディエンスの視線が自分に集まると緊張で喉がしまってしまいがち。解決方法は「数こなす」。ちなみにホールでは舞台から客席はあまり見えずお客さんが何百人何千人いても意外と視線を感じづらい、逆に隅まで目が届く十数人程度の教室の方がかえって緊張しやすいそうです。
もうひとつは「録音される声に慣れる」。求める最終地点はここ、慣れるしかない。普段から録音される声をイメージして喋るように意識する。そして録音された自分の声を多く聞く。こうして自分が聞く声と録音される声のギャップを小さくしていくこそ、自分の声を好きになるコツだそうです。
「自分の声は変えられない」という先入観がコンプレックスの一番の元凶になっていると丹羽さんは言います。
声は変えられるし、さらに最も効果的なのは「自分の声に対する自己評価」を変えること。そのために苦痛かもしれないけど録音された自分の声をひたすら聞いて、それを頭に刻み込む。続けていくうちにギャップがなくなり気付いたら自分の声が好きになっている(かも)とのことでした。
プレゼンでも声は大切な要素になります。明日いきなり自分の声が生まれ変わることはないですが、意識を向け続ければいつの間にか変わっている。ぜひ継続して、丹羽さんのように人前で声を披露せずにはいられないくらい自信をつけたいものです(笑)
丹羽さん、本当にありがとうございます!