2017年3月26日、国際基督教大学高等学校において実施したGLBCの初日の特別講師としてデジタルファブリケーション伝道師、岡崎亜沙子さんがお越しくださいました!
デジタルファブリケーション(以下、デジファブ)とは3Dプリンターやレーザーカッターといったデジタル工作機械によって、安価で(多くは無償)利用できるCADソフトウェア等で作ったデジタルデータを使い様々な素材を切り出しまた成形することで、個人レベルで製品アイディアのプロトタイプを作れる時代になっています。
アメリカの高校生がスマホスタンドを自らデザインし、町のデジファブ工房で機械を操作し、製作。それをKickstarterでファンディングしたところ5000ドル以上を集め稼いだという事例を紹介しながら、デジファブにより本格的なモノづくり、稼ぎ方(=仕事のスタイル)に明らかな変化をもたらしていると岡崎さんは伝えました。
新しい職業がデジファブにより生み出される?!
では新しい職業とは?
既知の職業に新しい価値をつけ、同じ職業の中にありながら明らかな差別化をはかれる一つのやり方を紹介してくれました。生徒たちにはそれぞれ思い浮かべた憧れの職業、気になる職業をリストアップしてもらい、それらに新たな価値を付けていきます。
このようにして生まれた職業を実現するため、どのような道具が要るだろうか?
その道具あるいは道具によって作られる製品の”プロトタイプ”作りをグループワークで体験しました。ただし使えるものは色画用紙、テープ、ハサミだけ。色画用紙をチョキチョキペタペタして作るのは高校生の彼らにとってとても懐かしい作業だったのかもしれません。どことなく照れ臭そうに取り組んでいる姿が印象的でした(笑)
道具の出現が仕事や労働のあり方を大きく変えるかもしれない。
そこまでのインパクトはなくとも新たな職業や産業を生むきっかけになるかもしれない。
道具は主役にはならないけれど確実に人類の発展に寄与してきました。
その進歩を間近に見てきた岡崎さんの目にはデジタルファブリケーションの未来が、そして人々の働き方を大きく変える可能性が明るく見えているに違いありません。
今回、岡崎さんがこの授業のために10分で作ってきたという「『シャイな寿司職人』のための道具」をサンプルで披露してくれました。
生徒と同じ色画用紙とハサミとテープで作った「LOVEバラン」の製品プロトタイプ。気持ちを言葉に出せない寿司職人がお客さんに思いを伝えるためのバラン、という何ともキュートなアイテムにグッときました(笑)
最後の生徒との質疑応答で思わず岡崎さんのほとばしる“デジファブ愛”が溢れ出た瞬間がありました。
本気の大人の姿はそれだけで強いメッセージを持ちます。
好きで好きで仕方がないという表情や話ぶり、好きなことに全力で取り組んでいる姿勢、仕事への情熱を見て強く惹かれた生徒もいたようです。
また「キッザニアによく行ってたあの頃のようなワクワクドキドキした気持ちになれて嬉しかった」と感想を残してくれた生徒もいました。色々な職業に純粋に憧れていた小さな頃を思い出させてくれる、自分の原点に帰れる時間になったのかもしれませんね。
岡崎さん、当日は遠くまで遅くまで本当にありがとうございます!